まず、冒頭にこのブログをお読みいただいた読者の方からご指摘をがあり、少しでも読みやすくと云うことで改良を加えました。
これで、少しはましになったのならよろしいののですが。
永いこと呉服屋をやっていて、いつも感じることが一つございます。それはきものに対するお客さまの意識が、昭和20年の終戦前にお生まれになられた方と、戦後に生まれた方とは、かなりの差を持って違うのだなと思うことです。
良くも悪くも終戦前にお生まれの方は、かなりしっかりした認識をお持ちですし、それが以降にお生まれの方は徐々に認識の後退が起こり始め、それが30年代にお生まれの方になりますと、認識が非常に後退され、きもの無用論までおっしゃる方までがいらっしゃいます。
勿論、この範疇に入らぬきもの好きの方も多くいらっしゃいますが、大きく分ければ、このような感じなのです。
昔は呉服屋のお客さまと云えば、子育てがほぼ終わり、少しは自由な時間ができ、しかも、経済的にはゆとりができ始める40代前半ごろから、きものの世界に入ってこられる方が大半でした。
その頃は世の奥さま達が人前に出るのなら、少し改まった場所に出るのなら、きものを着ると云うことは不可欠であったのです。
ですから、お子さまの学校の入卒の時などは、若いお母さまが、家計的にはかなりのご負担であったとしても、入卒用のきものをお作りになったのです。
ご記憶の方も多いでしょうが、色無地のきものに、黒い絵羽織と云うのが、正に一つのユニフォ-ムのようでありました。
しかし、多くの方は、その後、暫くのお休みがあり、前述のように40代になり、初めてきものを楽しまれると云うのが一つの形でした。
従って、呉服屋のお客さまは40代、50代の方が主力であったのです。
それが、いまはどうでしょうか。 そのお店の経営方針で、そうでない場合もありますが、いまは、多くのお店が60代、そして70代に入られたお客さまでも主力にしているのです。
その意味では、いまの時代は大変に有り難い時代です。
少々ご年配になられても、精神的にも充分お若く、おしゃれに対するお気持ちも衰えず、お元気で過ごされている方が多いのですから。
しかし、このままで、将来を展望した時には、いささか暗鬱な気持ちにならざるを得ません。
ご年配の方は、いくらお若いと云っても限度があります。
また申し上げたように、いまの50代の方は、お歳がさがるにつれ、徐々にきもの離れの起こっている年代ですし、40代の方は、もっとも、きものに疎遠の年代であります。
呉服の消費がこれほど減り、客感情勢がこのような有り様ですと、これ以上の消費減は業界の死滅を意味します。これは大変なことなのです。
駄目な呉服屋など潰れてしまっても、それは自業自得かもしれません。
しかし、そうなれば日本の文化に致命的な大きな影響を与えることになります。
このような状況の中で、唯一の希望は30代のお客さまなのです。
この年代のお客さまは数年前から顕著に増え始めました。
呉服の業界の唯一の光です。
いや、日本の文化にとって大きな希望でもあるのです。
この文章をお読みいただく30代の女性に申し上げます。
”貴女こそ日本の文化の担い手なのです。
日本の文化の行く末は貴女次第です。
呉服店にとって、昔は、この年代のお客さまは、ほとんどおられませんでした。
それは前にも申し上げたように子育てで、時間的にも、経済的にも一番大変な時でありましたから。
それがいまでは、独身生活を謳歌され、経済的にも、そこそこ恵まれた方が多いのでしょう。
そしておしゃれに一番ご関心が深いお年頃と思いますが、この限りなく美しい日本のきものに、目を向けられ始めたと云うのが現実だと存じます。
この世代のお客さまはきもの環境的にはあまり恵まれているとは思いません。 この方たちの多くのお母さまは、既にきもの離れしておられる年代です。
ですから,お嬢さまがきものを欲しいと思ってご相談したくても、多くのお母さまが着 付けはもとより、きものについて正確な知識はお持ちでないと存じます。
ですから、興味をお持ちになっても、信頼できるご相談相手がなく大変だと思います。
手前味噌にはなりますが、私どもでは、このようなお客さまのために最大限の努力をいたしております。
品物、お値段、ご相談、なんでも喜んでご期待に応えます。
決して、売らんかなとはとは思っておりません。 お求めいただくか、どうかは後の話です。
どうぞ、お気楽にご利用ください。
きものは、文化ですから約束ごと、しきたりがございます。
きものはもとより、この約束ごと、しきたりを含めて初めて文化と云えると存じます。
この約束ごとも、近年はややもすると、かなりなおざりになっております。
繰り返し申し上げます。
約束ごとがあるから文化なのです。
言い換えれば、面倒くさいから文化とも云えます。
しかし、この価値ある日本の文化を皆で守りたいものです。
お客さまともども、頑張りましょう。
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