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呉服店を余り困らせないでください

 長い年月商売をやっておりますと、その間には色々なお客さまに出会います。勿論その大半は、私どもにとってかけがえのない大切な良いお客さまなのです。従って私どもでは一生懸命にお客さまが間違いのない良いご選択をされるべく、そのお手伝いをさせていただくわけですが、何時もながらその責任の重大さを噛み締めております。

 こうしてお付き合いの回を重ね、お客さまと親しくなり、多くのお客さまと長い年月のお付き合いになっていくのです。現に私どもでも、なんと30年以上も親しいお付き合いをさせていただいているお客さまも何人かおられます。正にお身内同様のお付き合いです。

 しかし、最近は対応に少々苦慮するお客さまが以前に比べ増えてきたのが悩みの種です。それは商売ですから昔も難しいお客さまがおられました。お仕立ての仕方、寸法などにも大変厳しく呉服屋としては勉強にはなりますが、それは神経を使ったものです。

この頃はそういうお客さまは段々少なくなりましたが、別の意味で難しいお客さまが目立ちます。

 良い悪いは別にして、昔から呉服をお求めになるお客さまの中には、呉服屋でツケでお買い物をすることに一つの意味合いをお持ちのお客さまがおられます。その意味合いとは、その呉服屋に自分は特別の信用があるのだ、だから特別に良いお客なのだと云う思い込みなのです。

 こういう慣習は古くからあって、遠くは江戸時代から脈々と続いて来たようです。ある意味それはお客さまのみならず、呉服屋にとっても都合が良かった為と考えられます。しかし、現代に於いては流通事情も変わってきて、実情にはそぐわない環境になってきております。

 しかしながら、昨今のきもの消費の不振で呉服屋の売りたい心理に付け込まれるお客さまが出現するようになってきました。通りすがりでお店に入り、時間を掛けて品を選び、ご注文をされてからお支払いは全くされず、出来上がったら払うなどと云われるお客さまの出現です。悪気はなくても、それまで見ず知らずのお客さまでは、いきなりの掛売りはご容赦いただくほかありません。                            このような事に更に手の込んだことになると呉服店にとってのクレイマーと云うことにもなります。全く困ったことです。呉服店にとっては新しいお客さまは大変大事な存在です。それでも呉服店の切ない気持ちに付け込んで、無理なことを云われても困惑するばかりです。どうぞ呉服屋を余り困らせないでください。

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コメント

お客の切ない気持ちに付け込む呉服屋さんっていうのも、いるんじゃないですかね…。

投稿: | 2008年7月11日 (金) 14時20分

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