文化の価値は?
先だって、人と待ち合わせをして、たまたま、そこがリサイクルきものショップの前でした。普段はリサイクルショップを観察する機会など、全く無かったのでっすが、予期せずに観察することになりました。其処へきもの姿の親子連れの方(50代の方と30前後の方)がやって来られ、私は思わず嬉しくなりました。きものは結構綺麗に着ておられたのですが、その方達はためらいもせず、そのリサイクルショップにお入りになり、お買い物をされたようでした。
勿論、それがいけないとか、不愉快だったと申し上げている訳ではありません。ただ、少々驚いただけなのです。 私の観念の中にあるものは、大分古くさいものなのでしょう。私はああ云うお店へ入るには、もうすこし周囲を気にして入るのかと思っておりました。確かにご自分のお金で買うものなら、誰にも遠慮はいりません。しかし、改めて思ったことは、この十数年の間に、価値観が大きく変わったのかなと云うことです。以前には、私がお相手をしたお客さま達は例え生活が貧しくても、古着やさんへは行かないと云われていた方が殆どでした。理由は恥ずかしいからと、きものにはそのきものを持っていた方の情念がこもっているからと云われていたように思います。
一方、呉服屋の立場から申し上げれば、何時も申し上げているように、、お洒落の本質を考えれば、ご自分の体型に合った寸法でお仕立てのきものでなければ、本当のお洒落ではありません。ご自分の体にフィットするきものがきもののお洒落の第一歩です。これはお洋服も同じの筈です。確かにきものには融通性がございます。ですから、他人の寸法のきものでも着れないことはありませんが、きものをお仕立てさせていただくのは、単に寸法を合わせるだけではございません。 その方の体型やお好みによって様々な工夫がなされます。きものにはダ-ツがありません。ですから、考え方によれば、お洋服よりお仕立ては難しいのです。オ-ダ-メイドのお仕立てはお洒落の基本ですし、第一歩です。着心地の良さを味わってお確かめいただいものです。
しかしそれにしても、この価値観の変化はどう考えたら良いのでしょうか。勿論保守的なものが全て良いなどとは思いません。それでも安直だから良い、その時良ければ良いと云うような安易な考え方はきもの文化には全く馴染まないと思います。昨今の社会現象にしても然りと思います。論理が多少飛躍するかも知れませんが、感情の赴くままに、殺したいから殺す、殴りたいから殴る、盗んでみたいから盗む、このような不可解で感情の抑制のない事件が毎日のように起こっておりますが、私にはこれらのことも同源のことのように思われます。皆さまは如何お考えですか。
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コメント
書かれた内容に大変驚いて居ります。
貴方様は古着屋さんが古くから庶民にとって、大事な衣類の入手先であったことをご存じないのでしょうか?
他の記事も少し読ませていただきましたが、どうも呉服業界の方の言う「きもの文化」というのが、庶民の中で生活に着用されていた着物を無視したものが多く、不思議に思っていたのですが、
なるほど、古着屋すら否定するなら納得です。
富裕層をお相手に商いをされてきた歴史がそうさせるのでしょう。
いったい現在の呉服屋さんはどの客層をターゲットにご商売をされたいのでしょうか?
もし、洋服で言えばイブニングやカクテルドレスにあたる呉服を、そういうものを着用される層の方々に展開したいのであれば、そう割り切ってください。
ですが、ほんの半世紀前まで呉服屋さんが相手にしなかった木綿衣類を意地悪ばあさんの様に着て生活していた庶民(日本人のほとんど)の層を相手にしたいのであれば、もっと庶民の衣服の歴史を勉強してください。
サザエさん、意地悪ばあさんなどからは日本史問題として国立大学などへも出題されたそうですから、お読みになってはいかがですか?(原作)
これは、ネットに絹の呉服(洋服で言えばドレス)のことだけを「きもの文化」と言って記載する全ての呉服関係者にお願いしたいのですが、
全日本人のうち極一部の人たちが着用したドレスレベルの衣服が、全てのきもの文化の決まりごとのように言う前に、もっと日本で多く着られていた庶民のきもの文化を勉強してください。
若い方のきものブームが一時的?そうでしょうか?
浴衣で爆発したこのブームで庶民が求めているのは、生活の衣類の一部として着用する過去に庶民が着ていたような着物ではないですか?そういった衣類が貴店にはおそらく無いために客足が遠のいたのではないですか?
呉服屋である貴方が、庶民のなかで古くから大きな役割をはたした古着屋を、存在しなかったもののように全否定すれば、着物を知らない世代の若い人たちにとってはそれが歴史になってしまいます。
一部しか読んでいませんが、このサイトに書かれている着物はしきたりが云々は、洋装であってもドレス類を着用する場合には厳しくあるものであって、それを全ての着物に適用するような書き方はやめていただきたい。
そうした呉服業界の言動が、折角芽生えた着物を知らない世代の庶民の、着物への関心をそいでいるようにしか私には見えないのです。
そう言った行いは庶民着物をもとめるユーザーへの着物の広がりの妨げになっているとは思いませんか?
庶民が古着屋で衣服を調達していたことは、多く説明しなくてもすぐ調べられます。
ためしに阿部定・古着で検索されてみてはいかがですか?
大奥でも古着を売ってる町娘が春日局に大奥へ引き抜かれるシーンもありました。時代考証は間違っていないと思われますが・・・
呉服屋さんが一方できもの文化の普及に貢献したいと言いながら、いつまでも絹製品以外を置かないのは何故なのか、教えて欲しいです。あっても高級綿織物でしょう。
洋服の業界では既に技術は国内空洞化してしまいました。
きもの文化を広めたいと口では言っている呉服業界が庶民に対応した衣類の供給を行なはなければ、洋服地で着物など全く知らない外国の方が縫われた、ちょっと違うだろ?と言いたくなるような着物が日本に溢れる事になるだろうと、本気で危惧しております。
呉服屋にある綿織物が手ごろですよ、というのはドレスレベルの衣類を扱う金銭感覚の話であって庶民には高価です。
私自身、皇族方の婚礼服も手がける、ドレス格の衣類を扱う会社にいましたが、綿のふだん着のワンピースも庶民の感覚とはゼロ一つ違う額でした。
もし、あくまでもドレス格を着用される方がターゲットでしたら、
どうぞ、記事には必ずその格の話である旨お書き添えください。
くれぐれも呉服は日本のきもの文化のほんの極一部の層の衣類であったことをお忘れなき様お願い致します。
また、出来ましたら日本の「きもの文化」と称する中で、大多数だったはずの呉服と縁のなかった庶民のきもの文化のことはをどう捉えておいでなのかお聞かせくださませ。
投稿: きもの文化とは? | 2008年7月 6日 (日) 07時52分